豊洲がメッタ斬りにされた──。
東京の上質なグルメとともにラグジュアリーなライフスタイルを創造するマガジン、「東京カレンダー」。最近では、webでの展開も豊富でYahoo! JAPANにも出稿している。そして、10月からweb版特集として連載が始まり、SNSをはじめとするネットで物議を醸したのが「東京女子図鑑 綾の物語」だ。

既に読んだ人も多いかもしれないが、この「綾の物語」、秋田出身で地元の国立大学を卒業した「綾」が、東京のアパレル企業への就職を機に上京し、三軒茶屋に住むところから始まる。そして、恵比寿銀座豊洲代々木上原三軒茶屋と引っ越しをしながら、女の階段を昇っていく様を描き、最後にはその地のレストランを紹介するわけだが…。

豊洲の現状を「レストラン不毛地帯」とバッサリ 物語で唯一、住んでいる街のレストランに一切触れず

34歳になった綾は、仲間が皆が結婚している事実に「イス取りゲームで一人だけあぶれてしまう恐怖」を感じたことで、豊洲のタワーマンションに暮らす39歳の総合商社マンと焦るように結婚。そこから綾の豊洲生活は始まるのだが、三軒茶屋から恵比寿、そして銀座へと上昇志向とともに移り住んできた彼女にとって、豊洲はあまり魅力的な街には映らなかったようだ。
夫婦での外食について、「だいたい月島や、勝どき、築地に出ることが多いですね」いう綾。豊洲については、「まだ開拓中」としつつも、旦那が連れていく店は「居酒屋とか赤提灯系」ばかりだと、価値観の違いを痛感している様子。記事の中では、「レストラン不毛地帯」とバッサリ切り捨ててしまった。

確かに筆者も、「外食環境が十分か」と聞かれたら、肯定はしないがオススメなところが無いわけではない。少し見回しただけでも、CAFE;HAUSテスタロッサなど雰囲気の良いところも多い。もちろん、ヒールとドレスに身を包み出かけるレストランは見当たらないが、だからといって一軒も紹介しないというのは、取材力不足ではなかろうか。実際、東京カレンダーのウェブサイトにある「エリアからレストランを探す」から「豊洲・湾岸・お台場」をクリックしてみると、出てきたレストランは7軒。それらは全て、お台場エリアにあるレストランだった。

買い物も休みの過ごし方も、ナンダカンダでwanganistaになりつつある綾

豊洲を「レストラン不毛地帯」と一見ディスったように見えた綾だが、意外とwanganisitaな一面も見えつつある。

「ららぽーと」と「ビバホーム」は週一で必ず行くようで、「強烈に何でもそろう」と結構満足している様子。ららぽーとで雑貨を揃えたり、フードストアあおきや文化堂で食料を調達する姿も容易に想像できる。
また、「週末には、お台場とか、木場公園でバーベキューなんかしますよ。」とかなり充実した休日を送っているようだ。新豊洲のWILD MAGICにも行ってそうな感じがする。ここまでの暮らしをしているなら、紛れも無くwanganistaと呼んでいいだろう。

ただ、湾岸での暮らしに車が必須かどうかは、人によって分かれるところかもしれない。実際、豊洲でDINKS住まいであれば、自転車とバスを使いこなせれば快適に暮らせるはずだ。東雲や月島は勿論のこと、築地、銀座、台場までも自転車でスイスイと行けてしまうはず。DINKSなら尚更だ。また、都バスで外食の豊富な門前仲町や清澄白河に行くのだって簡単。お酒を飲んでも問題ないし、帰りが遅くなってタクシーに乗ったとしても車の維持費を考えれば安いはずだ。

wanganistaの断片的な部分を切り取った「綾」、現在連載中の「拓哉」は湾岸に住むのか?

そんなこんなで、10月末からネット界隈の話題をさらった綾だったが、東京以外の街から移り住んできた人なら、一部共感できる部分もあったのではないだろうか。豊洲の綾は、wanganistaの生態を断片的ではあるものの、きちんと切り取っていたのだと思う。勿論、感じ方は人それぞれなので、一概に「その通り」と言うことはできないが、的を射ているポイントも多かったはずだ。

そして、この勢いに乗るかのように、東京カレンダーでは新たな連載「東京人生ゲーム」が始まった。名前は「拓哉」、慶応義塾大学を卒業した総合商社勤務男性の25歳から40際までを描いていくという。25歳で渋谷に住み、28歳で西麻布へと移住…。もうじき、34歳になった「拓哉」が公開されるというが、果たして湾岸エリアは出てくるのだろうか? もし、月島や勝どきなら「銀座が遊び場」と綴られるだろうし、有明や東雲となれば綾の豊洲バリに「デートスポット不毛地帯」とか言われそうだ。湾岸エリアの登場を期待しつつ、今後の展開を楽しみにしたい。